東京都葛飾区柴又1-24-4

ペットのしつけ

人間が犬のリーダーになるための

 15のアルファー化プラン

~あなたとワンちゃんとのよりよい関係を築くために~

はじめに
人間と生活する犬(以下犬)は、祖先のオオカミが群れで暮らしていたのと同様に、飼い主家族と犬自身を群れとして生活をしています。その群れの中で、犬はリーダー(=アルファ)を必要とし、飼い主がリーダーとなって犬を安心させなくてはいけません。しかし犬がリーダーになってしまっている場合があり、これをアルファシンドローム(権勢症候群)といいます。

No.1リーダーは犬から注目される
あなたと犬との間に、コミュニケーションができるチャンネルをまず確立することが大事です。そのために、名前を呼んだら犬があなたに注目し、目と目が合うように教えます。これをアイコンタクトといいます。
No.2リーダーは頼りになる
食事の時間を利用して、あなたがリーダーであることを分からせるようにします。
飼い主がいなければ食事にありつけない(=生きていけない)事を犬に実感させます。食べ物を入れた食器を出しっぱなしにして、いつでも食べられるようにしていては、このメッセージは伝わりません。
No.3リーダーが先に食べる
飼い主と犬との食事時間が重なるようなときは、必ずあなたから食事を始め、その後で犬に与えるようにします。犬の食事は食器に用意しておいて、飼い主や家族が座って食事を始めるまで、犬の口の届かない所に置いておきます。
食べ始めて数分たったら席を立って食器を取り、犬に与えるようにします。
No.4リーダーはほめたり、ごほうびをあげる
犬がかまってほしいとあなたの所に来たら、いわれるままになでたり遊んだりするのではなく、まず「おすわり」などをさせて上手にできたことに対するごほうびとして、たくさんほめてかまってあげるようにします。
No.5テリトリーへの出入りはリーダーが先に
犬とテリトリー(家、車など)に入ったり出たりするときは絶対に犬をあなたより先に行かせないで下さい。玄関や門の前、車の前などでリードを使ったり、言葉で命令するなどして、犬を待たせるようにします。
これによりあなたがリーダーであることを分からせると同時に、飛び出しによる事故も予防できます。
No.6リーダーがテリトリーを支配する
犬はリーダーであるあなたにテリトリーを譲らなくてはいけません。
例えばあなたが通ろうとする場所に犬が寝ていたら、避けたりまたいだりしないで犬をどかして通るようにします。
No.7命令は一度だけ
命令するときはお願いしたり叫んだりしてはいけません。
低くしっかりした口調で命令します。そしてどんな単純な命令でも、命令は一度だけにし、確実に従えるようにします。
No.8ゲームの主導権は常にリーダーに
犬とゲームをするときは必ずあなたが主導権を握るようにしてください。
例えばボール遊びをするときは、あなたがボールを持ち出してきてゲームを始めます。そしてあなたの意志でゲームを終わらせ、もっと遊びたいと犬があなたに注目しているうちに犬の届かないところにボールをしまうのです。一回のゲームを長くするよりも短いゲームを何回もしてあげるようにします。また、犬があなたをリーダーとして完全に認めていないで、引っ張りっこに勝つ自信がなければ、引っ張りっこ遊びはしてはいけません。
No.9リーダーは一番よい場所を確保する
犬とベッドを共有すると、犬はあなたを同格の仲間と思い込んでしまいます。
犬を寝室に入れて別の寝床で寝かせるのはかまいませんが、犬があなたをリーダーとはっきり認識するまではベッドにあげてはいけません。
No.10マズルコントロールはリーダーのしるし
手を犬のマズル(=口吻)の上に置き、そのまま数秒間軽く押さえておきます。
犬をなでるときに自然にやるようにします。これをマズルコントロールといいます。
犬の社会では優位者が劣位者の口吻を軽く噛み、お互いの信頼関係や上下関係を確認しあう、いわば儀式のようなものです。ただし、噛んだりうなったりする犬には無理にしないで、他の方法で飼い主に従うようにトレーニングをしてからマズルコントロールの練習をして下さい。
No.11リーダーのすることには慣れさせる
犬には定期的にグルーミングしてあげ、体中どこを触っても大丈夫な様に慣らさせます。
陽性強化法(うまくできたらごほうびをあげてその行動を強化することで嫌がる場所も徐々に慣らしていきます。嫌がってじっとしていないようなら、ピーナッツバターなどを犬の頭の高さに冷蔵庫のドアなどに塗り、それをなめさせながら手入れをします。
これにより頭をじっとさせられ、またごほうびにもなります。
犬が喜んで床の上でグルーミングを受けるようになったら、今度はテーブルやベンチの上にあげてグルーミングします。
これは診察台の上で診察を受けるのにも役立ちます。犬が3ヶ月齢に満たなければ、抱き上げて腕の中で仰向けにします。静かにしていたらほめてあげ、暴れるようなら何も言わないで腕の中で静かになるのを待ち、静かにしていられたら床に戻してあげます。この場合は「もがいても自分の自由にはなれない」事をはっきり示すことが大切なのです。
No.12リーダーは先生
訓練するのです。
しかし犬に文句を付けるのではありません。
リーダーは犬が良くない行動をした時にそれを止めさせようとするだけでなく、どうすればよいのかを教えなくてはいけません。
No.13「フセ」はリーダーに従う姿勢
最初は犬に「フセ」の命令で伏せるように教えます。
一回の命令で喜んで素早くフセをするようになったら、一日一回20分間のフセを続けさせます。ちゃんとできたら大いにほめてあげましょう。フセの訓練はあなたが新聞を読みながらでも食事をしながらでもできます。ただし、犬が間違いなくできるよう手助けするため犬の近くにいてあげましょう。支配的な犬の場合は、フセを無理にさせようとすると嫌がることがあります。そのため、この姿勢は様々な訓練の後で、あなたが犬に尊敬されるようになってからやった方がよいでしょう。
No.14仰向けの姿勢はリーダーに従うしるし
一日に一度はおなかをさすってあげましょう。まず「フセ」の命令をします。フセを知らなければおもちゃやおやつで誘導してフセをさせます。そして片方の太股の内側をかいてあげることから始めます。あなたの注意を引きつけてリラックスできると犬が理解すれば、犬は進んでおなかを見せるようになります。服従の姿勢をとるのがどんなに楽しいかを教えてあげます。
No.15リーダーの態度は常に楽しく公平でやさしく、しかも一貫していること
常に安定した態度でしつけることが大切です。短気ではいけません。
あなたがいらいらしている時はしつけ訓練はしないことです。あなたも犬も常に楽しんでいるのだという自覚を持ってください。
葛飾区柴又のだいき動物病院 画像202