内視鏡検査・処置
新しい内視鏡を導入いたしました。
この内視鏡は新機能(NBIモード)を搭載しているため小さい癌や診断が難しい初期の食道癌などが発見しやすくなりました。
NBI(Narrow Band Imaging):狭帯域光観察とは、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示を実現します。 従来は内視鏡を実施するときに染色液を使用しなければなりませんでしたがその過程が不要となり、検査時間や不必要な生検の減少で検査の効率化ができる優れた機能です。
動画のご説明
○ 新内視鏡と旧内視鏡の違い
食道粘膜と胃粘膜は細かい絨毛がきれいに描写されております。
新内視鏡動画は異物誤嚥の内視鏡検査だったため絶食状態で実施できず食物残渣が残っているため動画が見にくいですがそれでも違いを感じることができます。
胃粘膜と咽頭部はNBIモード撮影による違いが解ります。
○ 猫が紐を誤飲した症例
マスクの紐を誤飲したため内視鏡で摘出しました。
猫は紐状物を好むため誤飲するケースがあります。
放置すると小腸の粘膜に絡みつき腸閉塞もしくはイレウス(機能不全)を引き起こし開腹手術による紐の摘出術が必要になり場合によっては小腸切除が必要となります。
早期であれば内視鏡による摘出で入院もなく費用も抑えられます。
○ ボールの誤飲
大型犬がボールを誤飲してしまいました。
一時は摘出を断念しようかとおもいましたがボールが潰れていたためなんとか摘出できました。
動画は撮影時間を短縮しております。
レントゲンではボールが潰れているかは解りませんでした。
また胃からボールが噴門部(胃の入り口)を通過したあとと喉頭(気管の入り口)部分で喉頭軟骨が妨げとなりボールが通過せず何度もトライして摘出いたしました。
ボール摘出後に再度内視鏡検査を実施し咽頭・喉頭・食道・胃を精査し異常がないことを確認し終了いたしました。
腹部 右下
腹部 腹背
レントゲンに円形状の陰影が摘出したボールです。
今回飼い主様よりボールは潰れていると稟告がありましたので直ぐに内視鏡に入ることが出来ました。
このレントゲンだけみると内視鏡摘出は断念してしまいがちですが内視により鏡摘出できた症例です。